オアシスの限界

食物によるアレルギーは、自然にいつのまにか食べられるという現象(アウトグロー)があり、とくに子どもでは何年かのちには食べられるようになることが多いので、そのように話して希望を持たせると良い。 ただ成人まで持ち越すと、なかなか克服できないようである。
薬物療法の目的は、薬によりいかに症状をうまく抑えるか、いかにうまく発作を予防するか、ということにある。 そのためには、症状がどの程度の重症度であるのかを見きわめる必要がある。
成人端息治療ガイドライン(一九九三年日本アレルギー学会春季臨床大会)で示された重症度分類を掲げる。 重症度は咳、瑞鳴、呼吸困難といった臨床症状とともに、客観的にはピークフローの値により判断される。

ピークフローメーターにより気道狭窄の程度を評価するわけであるが、予測値(性と身長から計算される健常人での値)の八○%以上、六○〜八○%、六○%以下が各々軽症、中等症、重症に該当する。 また、ピークフロー値には健常人でも日内変動があるが、瑞息症例では重症度に応じて、その日内変動も大きくなる。
以下、この重症度に応じた治療戦略のまとめを述べる。 症状が軽いもので、月に一〜二回呼吸困難が出現するのであれば、そのときだけ薬を使うことで大丈夫である。
薬としてはβ2刺激薬の吸入でも内服でも良いし、テオフィリンでも良い。 大事なことは症状が軽いうちに使うことであり、無理をしてこじらせないうちに抑えてしまうのがコツである。
発作の予感がする、胸がかたい感じがする、あるいはゼーゼーいい出したときに吸入あるいは内服すると、症状はすみやかに治まっていく。 もう少し症状が重くなって、週に一〜二回発作が出るようであれば、必要時に気管支拡張薬を用いるとともに抗アレルギー薬を連日服用するほうが良い。
もし気管支端息以外にアレルギー性鼻炎やアトピー性皮層炎を合併しているのであれば、ザジテンやアゼプチンなどの抗ヒスタミン作用を併せ持つ抗アレルギー薬のほうが良いだろう。 もし眠気を強く感じるようであれば、抗ヒスタミン作用のない、例えばアレギサールやドメナン、ベガといった抗アレルギー薬を処方してもらうとよい。
この抗アレルギー薬はいわば瑞息発作予防薬であり、化学伝達物質の遊離を抑制したり、その作用に桔抗することで効果を表すものである。 発作が週二回以上となって夜眠れないことがあれば、β2刺激薬とテオフィリンとを一日一〜三回内服するほうがベターであろう。



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